WordPressにおけるタグとカテゴリの付け方
WordPressで記事を投稿しようとするとき、いつもタグの欄を見ると手が止まってしまいます。タグは記事のキーワードを入れるということはわかっているんですが、SEOやユーザーの利便性を考えた場合にどんなタグを付けたらいいのかとなると、あまり自分の中に明確な基準がないんですね。また、カテゴリとの区別をどうするかも迷ってしまいます。
そこでWordpressのカテゴリとタグの付け方について考えたいと思います。
カテゴリ・タグとは何か?
タグとは、基本的にはその記事が何であるか、何についてのものであるかを示したものです。例えば「iPod」「WordPress」というタグはその記事が何に着いてのものかを表していますし、「雑談」というタグはその記事が何であるかを表しています。そしてタグの主な役割は利用者が記事を探しやすくすることにあります。
カテゴリもその記事が何であるか、何についてのものであるかを表していると言えます。ですがタグとの違いは、カテゴリは必ずしも利用者を目的のセクションに素早く案内することはできないということです。例えばHTMLの入門書で、あるタグの解説を知りたければ、目次より索引を見た方が早いでしょう。ではカテゴリはいらないかというとそうではなくて、カテゴリの役割はサイト全体の見取り図を示すことにあります。カテゴリの役割は記事の説明のためのものというよりは、サイト全体の説明のためのものなのです。
カテゴリは必要か?
カテゴリの役目がサイト全体の見取り図を示すことならば、その必要がなければカテゴリはいらないということでしょうか? 例えば様々な内容をとりとめもなく書いていくようなブログにおいてはサイト全体の見取り図はあまり有益ではありません。このような場合、カテゴリは必要ないのでしょうか?
私は必要ないと思います。これに対する反論は、カテゴリがタグの小分類に対して大分類の役割を果たしているのだから必要だというものがあるでしょう。
ですがこの考えはタグとカテゴリの役割の違いを誤解していると思います。タグは記事の説明で、カテゴリはサイトの説明です。それが大分類であろうと小分類であろうと、それが記事の説明であれば、タグを利用するべきです。
仮にカテゴリを大分類、タグを小分類という風にタグとカテゴリを設定したとします。そうすると、タグから内容を探そうとしたときに、大分類のページ一覧にたどり着けないということが起き得ます。
例えば、あなたの個人ホームページに「ガジェットレビュー」のカテゴリがあり、「ガジェットレビュー」のタグは無かったとしましょう。私はあなたのガジェットレビューの記事を読んで他のガジェットレビューも読みたいと思い、タグクラウドを眺めたとします。しかしそこに「ガジェットレビュー」のタグがなければ、私はガッカリしてあなたのホームページを去ってしまうでしょう。
もちろんカテゴリの「ガジェットレビュー」も用意してあれば私は目的を達することができるわけですが、「目的の記事を探す」という一つの目的ためのリストがカテゴリとタグの2カ所二に分かれているのはスマートではないし、利用者の利便性も低くなります。
また、タグクラウドに「ガジェットレビュー」が表示されていないのは、あなたのホームページにおけるガジェットレビューの重要度を示せていないという点で、不適切です。
ということで、カテゴリを大分類、タグを小分類とするのはやはり不適切だということになります。
なのでやはりサイト全体の見取り図を示すという目的が無ければ、カテゴリは必要ないということになります。
もし大分類、小分類ということをしたければ、大分類のタグと小分類のタグを用意すればいいでしょう。
例えば普通はサイドバーにカテゴリのリストを設置してますが、その代わりに大分類のタグのリストを設置すればいいわけです。
階層構造について
WordPressにはカテゴリには階層構造がつけられ、タグにはつけられません。また、カテゴリとタグの違いの一つを前者が階層構造を持つことだと言う人もいます。
ですが、WordPressの機能は別として、タグが階層構造を持てないなんてことはありません。
例えば、「ガジェットレビュー」カテゴリに「タブレット」と「ノートPC」のサブカテゴリがあれば、階層構造が存在することになります。
てすが、この場合と、タブレットの記事それぞれに「ガジェットレビュー, タブレット」、ノートPCの記事のそれぞれに「ガジェットレビュー, ノートPC」のタグが付いている場合の分類の情報量は基本的には等価です。
「基本的に等価」というのは、タグの場合はタグ自信に階層の位置の情報がないため、例えば「ガジェットレビュー」の中の「タブレット」や「ノートPC」といった一つ下の階層のタグだけをリストアップすることができないということです。ですが、これは正に「サイト全体の見取り図」を示すために必要なことであり、こういうことをしたいときにカテゴリを使うべきです。
じゃあタグだけを使って「ガジェットレビュー」のサブカテゴリを表示したい時はどうすればいいのかというと、タグを頻度順に並べればいいのです。そうすると、ガジェットレビューのサブカテゴリを見ようとしたときに、
のように表示されることになるでしょう。これではわかりづらいので、次のように表示するといいでしょう。
これで十分目的は果たせますし、むしろiPad miniの情報を見たい人などにとってはこっちの方が有益でしょう。
つまり、階層の上位性がタグの出現頻度に比例するため、タグに階層の位置情報を付けなくても、意図した階層の位置情報が取得できるということです。
まとめ
タグの役割は利用者が記事を見つけやすくすることで、カテゴリの役割はサイト全体の見取り図を示すことです。
カテゴリが大分類、タグが小分類という気はしますが、厳密にそれぞれの役割に従った方が、より利用者にとって便利なサイトになるでしょう。
というわけで、私のホームページではカテゴリを極力使わないようにしたいと思います。具体的にはパン屑リスト以外の場所では使わなくて済むようにできればいいと考えています。